さて、今回はCUBASEで最大限マルチコアの恩恵を受けるためのお話をします。
最新のCPUを使っているのにあまりレイテンシーを詰められない、大したトラック数でもないのにオーディオパフォーマンスメーターが振り切れてしまう、という方はチェックしてほしい項目です。
はじめに
30トラックも立ち上げると44.1kHzで64sampleすらまともに再生できず、
K付のCPUのようにTDP200W越えのパワーがないとダメだったかと落胆しました。
その後、CPUパワーを最大まで引き出すように設定をして多少は変わったものの、
根本的には解決できずにいました。
「ASIO Guard」とは
結論からいうと、CUBASEの設定をミスっていたからでした。
その項目はASIO Guardです。
昔からCUBASEを使われていた方の中にはASIO Guardはオフにする方もおられたと思います。
昔は大した恩恵も受けられず、かえってCPU負荷が高くなったりして
動作が不安定になったことがあったからですね。
で、私はASIO GuardはオンにするとASIO Guardレイテンシーが表示されるので、
これのせいでリアルタイム入力に遅延が出ると思って、
Core i9 11900Fに換えてからは外してました。
こいつがいけなかった…。
注意ポイント
この機能こそ、マルチコアCPUの恩恵をもっとも強く受けられるものなのです。
実際のオーディオパフォーマンスメーターがこちら
50tr程度(Kontakt、Eastwest Playの2つをメイン。それにBFDやギターのオーディオトラックをプラス)で各トラックにインサートエフェクトも1~2挿してます。
〇48kHz 128sample ASIO Guard off
〇48kHz 128sample ASIO Guard on(Low)
ここまで違うものかと驚きますが、こんなに変わるんです!!
〇48kHz 64sample ASIO Guard on(Low)
〇48kHz 32sample ASIO Guard on(Low)
32sampleもいけなくはないですが、プチノイズが出始めるので、実用的には64sampleですかね。
ASIO GuardのON/OFFで遅延は出るのか?
しかし、ASIO Guardをオンにするとリアルタイム入力に遅延が出て、
却ってレイテンシーが大きくなるのではないかと思う方もおられると思います。
(私もそうでした)
で、本当にそうなのか実験をしてみました。
ポイント
100msec近くあると速いパッセージを弾くと全然追い付かず、
弾き終わったころに音が鳴り始める感じになりますが、
ASIO Guardのほうは全く遅延を感じません。
結論としては、ASIO Guardはリアルタイム入力のレイテンシーを犠牲に せず、マルチコアCPUパワーを最大限生かせるサイコーの機能です。
古いCPU or 古いバージョンのCUBASEを使用しているなら場合によってはOFFの方がパフォーマンスが上がることがありますが、最新CPU&新しめのCUBASEを使われている方ならONにした方が良い結果になると思います。
ASIO Guardのデメリット
マシンパワー(CPU&メモリ)を使うことと、サンプルバック系音源で再生するごとに違うサンプルが鳴ることがあることです。(後者は私の環境だけ??)
よく、弾き方とか前のフレーズの音程や強弱によって出る音が変わる音源がありますが、
再生するごとに違うサンプルが再生されることがあります。
コーラス系音源で2トラックユニゾンでフレーズを歌わせるときに
違うフレーズを歌いだしたりすることがあります。
いったん、オーディオインターフェイスのSample数を大きくしてからASIO Guardをオフにして、
オーディオ化してしまえば問題ないのですが、これはちょっと面倒ですね。