バイオリンはものすごく難しい楽器なので、
人前で演奏したい方やドMさん以外には
全くおススメしませんが、
これ以上に音感が鍛えられる楽器は無いと思います。
こんな厳しい楽器でも、
バイオリンに憧れをもって始める方はおられるわけで、
私もその一人でございます。
私は一軒家に住んでますので、
いつでも練習できる環境ですが、
集合住宅住まいの方はそんなわけにもいきませんね。
ということで、今回はバイオリンの防音、
騒音対策を掘り下げます!
1.バイオリンの防音 住宅別
一軒家編
一軒家の持ち家であれば、
隣人対策として二重窓(内窓設置)が効果的です。
↓の記事で詳しく解説していますが、
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バイオリンの音は高音よりなので、
普通のペアガラス(3mm+3mm)でも防音はできます。
防音ガラスにすれば低音弦の音までかなりカットするので、
上級者のように爆音で鳴らせる方は
防音ガラスの内窓を入れた方が良いと思います。
防音対策!二重窓を導入したことによって感じたメリット・デメリットまとめ
2階で練習する場合は、階下への対策として、
静床ライトや静床プレミアを敷き詰めると
かなり効果的です。
10dbくらい下がるので、体感的には音が半減する感じです。
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静床ライト/静床プレミアを敷き詰めれば、
ゴム製ミュートして弾くと階下には音が聞こえません。
ミュート無しだとさすがに聴こえますが、
音としてはかなり小さくできます。
私は内窓と静床プレミアでバイオリン練習では
ノーミュートで弾いてます。
遅い時間だけは家族に配慮してゴム製ミュートを使います。
2.集合住宅編
集合住宅の場合は、階下・上階・隣には隣人がおられるわけで、
内窓&静床ライト/プレミアだけでは難しいですね。
騒音対策が十分なマンションでも、
ゴム製ミュートだと音が伝わってしまう可能性があります。
その場合、金属ミュートを使えば
かなり音を小さくすることができます。
ただ、ミュートを使うと、演奏性が変わってしまいますし、
どうしても弦を押さえつけて弾くような
弾き方をしてしまいがちです。
できればアビテックスのような防音室が望ましいですね。
簡易型の防音室ではバイオリンの音は抑えきれないです。
注意ポイント
小さい音でも隣家から聞こえる音って
騒音問題になりかねないので、
簡易型ではない防音室を選んだ方が良いと思います。
そこまでできない…という場合は、
お家では金属ミュートを使って練習、
スタジオを借りて生音で練習するようになるかと思います。
3.賃貸住宅編
賃貸の場合、持ち家よりもできることが限られますので、
家でバイオリンを弾くのは厳しいかもしれません。
やはりアビテックスのような防音室をいれない限りは
自由に練習することは厳しいと思います。
賃貸の場合、物件にもよりますが、
騒音対策が十分でない可能性もありますので、
その場合は金属ミュートを使っても音漏れします。
この場合、エレキバイオリンにミュートを付けて弾くしか、
方法が無いかもです。
4.ミュートの効果検証
ミュートの消音効果は、金属製>ゴム製です。
バイオリンにミュートを付けて弾いてみました!
ポイント
使ったミュートはゴム製のULTRA USAと、
My Muteの金属製です。
私の感覚的には安物件では金属製でも完全にOUTですね。
お隣からピンポンされると思います。
5.エレキバイオリンはどう?
日本の住宅事情からエレキバイオリンは人気があります。
しか~し、エレキバイオリンを選ぶのは
慎重になった方が良いです。
理由① 音程がわかりづらい!
初心者におススメできない最大の理由がこれです。
バイオリンはフレットが無いので、
自分で音程をコントロールする必要があります。
そして、これが初心者の最大にして永遠の課題なわけです。
バイオリンはどうやって音程を取るのかというと、
当然頭の中に音程を作ってそれと同じ音を出すようにするのですが、
他の弦の共鳴をヒントにします。
同じ音程や4度、5度といった共鳴しやすい音程だと、
他の弦が共鳴して、どれくらい音程が合っているかを
そこから知ることができるんです。
共鳴すると音色も澄んで聞こえます。
私のような初心者は共鳴によって音程のズレを認識して、
頭の中の音程を微修正しながら演奏します。
(上級者はこんなことはしないかも…)
エレキバイオリンの場合、この共鳴がとても小さくて、
かなり聞き取りづらいんです。
なので、音程をとることが難しいバイオリンの難易度が、
更に爆上がりしてしまうというわけです。
理由② ボウイング(弓)の感覚がかなり違う
これもおススメできない大きな理由です。
バイオリンは弦を弾くと、
駒から魂柱に伝わってボディが振動するので、
弾いてから発音するまでに若干のラグがあります。
エレキバイオリンやミュートを付けたバイオリンは、
このラグが無くなる感じになります。
弾いている感覚がかなり違います。
また、共鳴もしづらく、発音もしづらくなるので、
弓を弦に押し付けて弾きやすくなります。
バイオリンを弾ける方なら全く問題ないのですが、
弾けない方がエレキバイオリンでしか練習していないと、
綺麗な音が出るボウイングの仕方がわからず、
バイオリンを弾くと汚い音しか出せないままになってしまいます。
なので、バイオリンを弾きたいと思うなら、
エレキバイオリンのみや、ずっとミュートで練習するのは、
やめるべきです。
バイオリンとエレキバイオリンを併用するのはアリだと思います。
理由③ 重い!
バイオリンって350~500gで軽いと思うじゃないですか?
バイオリンを始めて1年くらいは、
バイオリンの保持に非常に苦労します。
この時にバイオリンが重いと相当キツイです。
エレキバイオリンは重いんですよね。
600~700gくらいあるものが多くて、首に来ます。
私はYAMAHAのエレキバイオリンYEV-105を持っていますが、
重くて辛かったので、軽量なパーツに交換したり、
本体を肉抜きしたりして、軽量化しました。
50g重いだけでかなり違います!
無理をすると首を痛めてしまいますが、
初心者ほど変な持ち方をして無理をしてしまうので、
重いものはあまりおススメできないです。
6.最強の消音 エレキバイオリンにミュート!
ポイント
エレキバイオリンのデメリットを理解したうえで、
それでもバイオリンをやってみたいと思うのでしたら、
ぜひ始めてみてください!
かくいう私も最初に手にしたのはエレキバイオリンでした。
Hallstatt EV-30というモデルです。
やはり騒音問題から、バイオリンは厳しいと思って、
エレキバイオリンを選びました。
エレキバイオリンのデメリットは理解して手にしましたが、
そのままバイオリン沼にハマって、
結局、バイオリンも買って、今も練習し続けています。
エレキバイオリンで練習したことが
全て無駄になるわけではないので、
最初の一歩を踏み出すためには
エレキバイオリンもアリだと思います。
エレキバイオリンに金属ミュートを付ければ、
可能な消音としてはこれがMAXです。
エレキギターよりも少し音が大きいですが、
これなら賃貸でもなんとか演奏可能かもしれません。
もし、これでも隣に聴こえてしまうようであれば、
簡易的な吸音設備(light room)のようなものを
部屋に置けば防げると思います。
いかがだったでしょうか?
バイオリンは非常に難しいですし、
努力が報われにくい楽器だと思いますが、
ものすごく奥が深く、
一生練習を楽しめる楽器だと思います。
興味を持たれた方、
一度手に取って始めてみてはいかがでしょう?